海軍式 シーン管理

軍曹「新入り、シーンとは何か言ってみろ。」
新兵「サー! シーンというのは、演劇で言う場面のことであります。」
軍曹「一連の意味のあるシーンの連なりを幕(act)とも言うな。知っているか?」
新兵「サー! 存じております、サー!」
軍曹「よろしい、ではシーンを管理するとはどういうことかね。」
新兵「サー! わかりません、サー!」
軍曹「予習不足だな? では聞け。
   いいか、第一にシーンは前後関係が非常に重要なものだ。
   赤頭巾が狼に食べられる前に、狼の腹から出てきたらホラーだろう。」
新兵「サー! その通りであります、サー!」
軍曹「第二に、シーンにはある程度のまとまりが要求される。
   すなわち貴様の先ほど言った幕などだ。」
新兵「サー! 理解であります、サー!」
軍曹「さて、これらのシーンをゲームで扱う場合、段取りが完全に決定していることは少ない。
   普通は条件によってループや分岐をするものだ。」
新兵「サー! ……サー!」
軍曹「しかし先ほどのスプラッタ赤頭巾のように、前後関係に規則性があるのが普通だ。
   ゆえに、シーンはオートマトンか、それに類するものとして概念化される。」
新兵「サー! わかりません、サー!」
軍曹「分かれ!」
新兵「サー! わかりました、サー!」
軍曹「しかし、前後関係だけでなく階層構造をなす場合もある。
   シンプルなオートマトンでは不都合だ。」
新兵「……サー!」
軍曹「ゆえにシーン管理はスタック付のオートマトンのような概念によって行う。」
新兵「……サァー!」
軍曹「では実演だ。新入り、貴様はゲームオーバーのシーンの役だ。この箱に入れ。」
新兵「サー! イエス、サー!」
軍曹「入ったな。そして蓋を閉めて、次に私が座る。」
新兵「サー! 息苦しいであります、サー!」
軍曹「我慢しろ。First In Last Outの実演だからな。」
新兵「サー! スタックでありますね、サー!」
軍曹「そのとおりだ。」
 …………
新兵「サー! そろそろ酸素がなくなりそうであります、サー!」
軍曹「ダメだ、貴様はゲームオーバーのシーンだからな。
   一番最後にスタックから取り除かれるべきだ。意識が無くなったら出してやる。」
新兵「……サー!」

('ω`)オチ思いつかなかった。